1 勇者ダイ 将来は魔法使いだった?! 

 

 本編の主人公ダイ君は、公式プロフィールによれば、年齢12歳。
 本当の出生地はテランの森深くだが、出身地は赤ん坊の時に流れ着いたデルムリン島となっている。

 みんなの中では唯一誕生日の季節がはっきりしているキャラだが、その誕生日も島に流れ着いた日が元になっている上、しかも暦のないデルムリン島では日付さえ特定できず『だいたい春頃』が誕生日だといういい加減さだ。

 ……これでは、データの追及のしようがないっ!
 ――まあ、それはさて置き、デルムリン島は南海の孤島で走って島の外周を一周できるほどの小さな島。魔王が退治されて穏やかな性質になった怪物達が住んでいる。

 ダイはこの島のたった一人の人間として、鬼面道士のブラスに育てられた男の子。
 いつも元気一杯で明るく、ポップにシンプルな思考回路だと呆れられるほど裏表のない素直な性格の持ち主のダイは島中の怪物みんなとお友達っ。後に、島にやってきたレオナやポップともすぐ仲良くなったように、ダイは先入観なしに誰とでも友達になれる性格だ。
 

 正義感が強く、不正や悪には敢然と立ち向かうダイ君だが、友達や仲間に対してはとことん甘い。
 なんせ、初対面でいきなり失礼なことを言いまくっていたレオナやノヴァに『ちょっとムッとした』だけで、すぐに打ち解けているし、ピンチになってポップにいきなり見捨てられた時も、ほとんど怒っていない。

 よく言えばまったくこだわりを持たないおおらかさ、……悪く言えばしごく単純でお人好しなところも、ダイの魅力の一つ。
 その素直さから、かつては敵だったクロコダインやヒュンケルとも簡単に和解し、勇者としてパプニカやバーン打倒に集まった仲間達の信頼も集めることができた。

 強いだけでは片手落ち、人望もなければ勇者じゃないのだ。
 初登場の頃から勇者に憧れ、勇者になることを希望していたダイだけど、実は、島にいた頃は魔法使いになるための修行をブラスに無理やり受けさせられていたという過去がある。

 しかし、この世界で最も初歩的な攻撃魔法のメラでさえまともにできない上、本人も魔法の練習が苦痛だったようで、余り熱を入れているとはいいがたかった。
 もっとも、後に師となったアバンに『…魔法は…のぞみがうすいですねえ…』と言われてしまうほどの実力では、諦めて正解だったとしか言い様がない。

 現に最終パラメーターでさえ、ダイの使える魔法はたったの九つ――。……やはり、剣の修行に身を入れ本格的に勇者を目指した方が、ダイのためにも、世界の人のためにもよかったようだ。

 それに、ダイの性格上の点からいっても『勇者を目指している』ことは大きな影響を及ぼしている。一度、ダイは記憶喪失になったが、その時、ダイは別人のように臆病なただの子供になっている。

 それでも、ゴメちゃんと友達になろうとしたところや、素直なところは普段のダイと同じだった。
 いくら記憶を失ったとはいえ、性格が根本から変わるわけでもないだろう。

 そう考えれば、ダイの勇気や不屈の闘志などは、勇者を目指すうちに身につけた、後天的な性格と言える。
 修行を重ね、経験を重ねることでダイはどんどん強くなり、みんなを引っ張っていく精神的な支えとなっていった。

 世界の人の希望を一身に集める勇者として、大活躍している。前はあまり勇者としての自覚がなく、武闘大会優勝者に挑戦してやっつけ優勝商品を横取りしようと考えたり、一行に何人も勇者がいてもいいと考えていたようだが、最近はやっと勇者としての自覚も出てきて、ずいぶんと成長した。

 とは言っても、ダイもまだ発展途上中の少年、変におさまることなくこのまま真っ直ぐに成長して欲しいものである。

 

2に進む
一章目次に戻る
解析目次に戻る

inserted by FC2 system