11 見た目の割にセコいトド男、ボラボーン |
竜騎衆の二人目のボラボーンはクロコダインをも上回るかもしれない巨体の戦士で、種族はトドマン。 ガルダンディーと同じくバラン直属の部下で、姿から分かるように彼は海を司る海戦騎。乗っている騎竜もガメゴンロードだが、ガルダンディーと違ってまったく騎竜に愛着を抱いてはいないようだ。 三人の中では最年長だが、その分大人びているという印象はない。 同じ獣人族同士気があったのか、ボラボーンはガルダンディーをたしなめるシーンが多く見られた。 しかし自分で自分に様をつけたり、自ら『海の王者』と名乗ったりするところには、何の謙虚さもみられないぞっ。 彼のご自慢は、自ら怪力無双と言い切るその腕力。 彼の必勝パターンは、まず種族の特種攻撃である凍て付く息で相手を凍り付かせ、自慢の怪力にものを言わせて相手を砕くこと。 彼の凍て付く息はマヒャド級の威力があり、一息でポップのメラゾーマを蹴散らしたほど。 大男は動きが鈍いと相場が決まっているものだが、ボラボーンは瞬間移動呪文で飛び出したポップを鎖で引き戻していたから、反応速度が鈍いとも言い切れない。 彼はポップとヒュンケルを相手に戦ったのだが、最初にかかってきたポップに攻撃を仕かけ、彼の弱さとラーハルトの忠告を聞いて遊ぶ気をなくして簡単に殺そうとしている。 ポップvsガルダンディー戦では静観を決め込んでいたが、ガルダンディーがやられたことに腹を立て、さらにヒュンケルに牙を折りとられたことに逆上して彼に戦いを挑んでいる。 だが、彼ご自慢の力でさえヒュンケルに劣っていた……。 実力的に及ばないだけならともかく、どう見てもボラボーンには根性がないぞっ、根性が! ボラボーンは牙を折られたとか殴られたとか、とにかく相手の攻撃にたいして実に大袈裟に痛がっていた。 しかも倒されて復活した後、こっそり逃げればまだかわいげがあるものだが、ボラボーンはラーハルトとの戦いでつかれているヒュンケルのすきを狙って不意打ちし、それに失敗するや否や今度はポップを人質にとって、ヒュンケルを殺そうとした。 一見クールなヒュンケル相手に人質作戦がよく効くと見抜いた眼力は、思い付きなのかそれとも彼の性格を読んでのことなのか、いまいちはっきりしない。 それはさて置き、ヒュンケルを殺せばポップを見逃すとはいっていたが、こんな歪んだ根性の持ち主のこと、ヒュンケルが死んだ後ついでとばかりにポップも殺したに決まっている。 その卑怯さのせいでラーハルトの怒りをかって、仲間であるはずの彼によって倒されてしまった。
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