13 告白、そして別れ……PART2 メルル |
控え目で、おとなしいメルル。 メルルがポップに想いを打ち明けた場所は、ミナカトールを使う直前の戦場でのこと。ミナカトールに失敗し落ち込むポップを、自分のことのように辛そうに見つめていたメルルは、ポップを狙うザボエラの殺意を感知した。 普段おとなしい人間ほどいざという時はすごいと言うが、メルルもその典型だ。 そんなポップの鈍さに業を煮やしたレオナが、思わずメルルがポップを好きだったことをバラしてしまう。 ――その沈黙が、メルルを傷つける。 苦しい息の下から、メルルは軽口めかせてレオナを責める。 臆病な彼女は、ポップに惹かれながらも、打ち明けることができなかったのだ。 側にいたくて足手まといになるのを承知でついてきたのに、今の関係を壊すのが怖くて打ち明けられなかった。死を目前にしたメルルは、思いを打ち明け、初めてポップの役に立てたことに満足していた。 しかし、ポップは自分のために誰かが傷つくのに耐えられず、メルルを助けたいと思い、回復魔法を掛けてくれとエイミに頼む。 それでも、ポップは無駄でもいいから回復魔法をかけてくれと頼む。 最後にメルルはポップの真意を知っての上で、ポップに好きな人の名を言って欲しいと頼む。答えは分かっているのにメルルは自分の想いを諦めるために、そしてこの世の最後の思い出に、ポップの口から答えを聞きたいと願ったのだ。 ためらうポップだが、メルルの断末魔の苦しみについに自分の本心を――マァムが好きだ、と告白する。そのポップの勇気が、アバンのしるしを光らせたのだが、メルルはそれを見ることができないまま目を閉じてしまっていた。 それを見て、ポップは心の底から彼女を死なせたくないと思い、その思いがポップに回復系の魔法への目覚めをもたらした! レオナ以上のポップの魔法力を持ってメルルは命を取り止めはしたものの、メルルはその場で目を開けることもなく、またミナカトールを完成させる役目のあるポップは彼女の看病をエイミに任せ、ダイ達と供に大魔宮へと行ってしまった。 これがきっかけとなって、バーンパレスではポップとメルルの心が通じ合うという奇跡が起こったが――それは基本的に、メルルがポップの心に添わせたおかげで読み取れ、強く呼び掛ければ通じるという形のものだ。 つまり、実際に心が繋がっている時でさえ、メルルの片思いという形に変化はない。 少なくとも原作の範囲内ではメルルの想いが通じる可能性は、薄いと言わざるを得ない。
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