11 チウ君率いる獣王遊撃隊!

 

 空手ネズミチウ君は、クロコダインの特訓に付き合ったお礼として、彼から獣王の笛を譲り受けた。その笛で怪物を呼び、その怪物を倒せば仲間にできるという豪快な設定を持った笛だが、チウ君はこれを使って次々と部下を増やし、獣王遊撃隊と名乗ってダイ一行の主力部隊(本人談)として活躍している――つもりでいる。

 しかし、彼等は本当に役に立っていたかどうかは、おおいに疑問が残るところだ。なんといっても隊長のチウからして、まだまだ実力不足……その部下がホント〜に役に立っていたのだろうか?

 チウ君の遊撃隊のメンバーは、物語完結までの正隊員は12名。最後の戦いで、いたずら小僧系怪物を二名勧誘していたが、正式隊員となったのは物語が終わった後だと考えたので、ここでは触れていない。


 隊員1号は、パピラスのパピィ君。空を飛べるのを重宝がられて、活躍の機会も多いお得な奴である。

 隊員2号は、なぜかゴメちゃん。ゴメちゃんは自分から志願して入ったのだが、遊撃隊に入ってからでも、やっぱりダイ達と行動することが多かった。

 隊員3号はマリンスライムのマリべえ、
 隊員4号は大アリクイのアリババ、
 隊員5号はドロルのドルやす、   
 隊員6号はアルミラージのラミた、

 隊員7号はドラキーのドナドナ、  
 隊員8号はグリズリーのクマチャ、
 隊員9号はハンターフライのバタコ、 
 隊員10号は大王ガマの大吾。

 4〜10号までの隊員の名前は、ジャンプで名前を募集した末に決めたものでなかなか凝っているのがおもしろいところ。

 しかし、見てみれば分かると思うが、グリズリーのクマチャ以外は、これといった戦力になりそうもない、小粒な隊員が多いのである。チウが倒せる範囲の怪物しか仲間に入れられないから、仕方がないと言えば、仕方がないのだが……。それにしても、情け無さすぎるっ。

 それに、唯一役に立ちそうなクマチャだが、彼もある意味じゃ人騒がせな怪物である。老バーン戦の後、漂流から助かったポップはクマチャと出会い、てっきり敵だと思いこんで、もう少しで刺し違えるところだった。
 考えてみればほとんどが喋れないメンバーではあるし、意思の疎通に難があるようだ。


 知能方面でも、あんまり頼りになりそうもない連中だ。
 しかし、チウは大して役にたちそうもない部下達を誇りに思い、戦う時は一致団結し、彼等が怯えたときは喝をいれて勇気を鼓舞し、守るべき時は彼等を庇っている。

 実力はまだまだでも、チウは統率力は結構あるようで、部下達はみんな隊長を尊敬し、ちゃんと言う事を聞いている。魔王軍の怪物達と区別するために、特製のバッチをつけてうれしがっている無邪気な魔物達は、ほのぼのしていて微笑ましいものがある。

 ところで珍しく戦力となる隊員11号は、なんとチウとマァムの師匠、ブロキーナだったりするから、驚き。しかし、その正体がばれまくっているのにもかかわらず、謎のモンスタービースト君と名乗り、人知れず弟子達を救おうとなさっている。……ここまでバレバレで、なにが人知れずなんだか……。

 しかも獣王遊撃隊の一員になった割には、ビースト君って、単独行動が目立つ(笑)
 でも、一応隊長のチウを立てているのが、ブロキーナ…いや、ビースト君の偉いところ。

 最後に、隊員12号となったのは、元魔王軍ハドラー親衛隊のヒム。成り行きからチウの部下になってしまった彼は、即戦力として大活躍を見せたが、いいようにチウにあしらわれ、漫才のごとくやりあう姿が笑いを誘う。遊撃隊どころか、勇者一行メンバーの中でもほぼ最強の強さを誇るのに、とんだお人よしと言うべきか。

 だが、この二人は正規メンバーと言うよりは、別格扱いとみなしていいだろう。隊員ごっこに付き合うノリで力は貸してやってはいるが、他の隊員とは明らかにレベルが違うのだから。

 チウの命令により一致団結して戦う遊撃隊は、完全に隊長のチウの個性に引き摺られたワンマンチームだが、いいムードメーカーになっていることも確か。 とりあえず、意気込みと士気の高さに免じて、実力の低さには目をつぶって、いつか彼等がその志と同じ位に成長する日を待とうではないかっ! ――その日が永遠にこない可能性の方が高いとは思うけれど(笑)
 
 


  
  
  

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