04 昏睡設定

   

 「夜明け前」や「レストア」を初めとした複数の話で登場している昏睡設定は、原作にはないオリジナル設定です。
 魔法の使い手が魔法力を完全に使いきった場合に発生する生理現象で、通常の眠りよりもずっと深い眠りに就くことで、身体の代謝を落として魔法力の回復を高めようとします。


 これは魔法力の枯渇が魔法の使い手にとって致命的であるため、最優先で魔法力を取り戻そうとするための生存本能に基づく生理現象です。
 昏睡状態の間は、魔法力は通常の眠りよりも早い速度で回復する上に、最大魔法力そのものが上昇します。

 そのため、あえて昏睡状態になるのを狙って過酷な修行を繰り返す魔法使いの例も、歴史上少なくはありません。
 が、いいことばかりではなく、リスクも少なからずあります。

 昏睡状態では、身体は無意識に魔法力を最優先して回復させようする余り、体力の回復や維持は二の次になります。過度に魔法力を使い過ぎたり、体力も使いきっていた場合は、昏睡に陥っても魔法力の回復が鈍くなることがままあります。

 なかなか魔法力が戻らない場合、体力は回復しないまま、維持機能は徐々に衰えはじめます。そうなると悪循環が発生して、ますます魔法力の回復が遅れることになります。
 昏睡に落ちた者は自然回復するまでは目覚めることができませんので、魔法力も体力も回復しなかった場合は、そのまま永遠の眠りに就くことになります。

 通常の場合、一週間ほどが昏睡の限界と言われていますが、個人差があります。
 また、昏睡は魔法力がゼロになったら確実に発生しますが、力を使い果たした瞬間に起こるわけではありません。使い手が眠りに就くか、もしくは意識を失った段階で発生します。

 本人が意識を保っている限りはかろうじて昏睡から逃れられるわけですが、魔法力がなくなった使い手は体力も同時に消耗し、強い倦怠感と眠気に襲われるので、時間の問題ではあります。

 というか、体力を消耗すればする程、昏睡が深くなるので、むしろ無理はしない方がいいです(笑)

 魔法を使える職業の者なら誰でも陥る可能性がありますが、魔法力がある程度高く、逆に体力が標準以下に低い人間にしか起こらないので、魔法使い、賢者に現れやすい症例です。

 ただし、魔法の使い手は、魔法力を使いきる危険性を知識として習わなくても無意識下で承知しているため、それを避けようとする本能を持っています。魔法力を使い果たせば体力も同時に失うのは、その危険性に対する身体からの警告です。

 怪我をすれば痛みを感じるのと同様に、これ以上魔法力を失っては危ないと、身体が危機を警鐘しているのです。
 昏睡状態は、それを無視して行動した魔法の使い手にのみ発生する、言わば危機的状態です。

 勇者一行ではポップ、マトリフ、それにレオナが昏睡に陥るだけの能力を持っていますが……ポップはともかくとして、現在のマトリフやレオナは魔法力を全部使い果たすような無茶はしないので(笑)、今のところポップにしか起こってないです。

 魔王軍では、老バーン、ザボエラが該当しますが……この二人はやっぱり、魔法力を使いきるなんてしそうもないですから、やっぱり発生しそうもないですね(笑)

 

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