06 宮廷魔道士見習い設定

 

 魔界編でのポップの役職名はパプニカの宮廷魔道士見習いですが、実は正式な就職というわけではありません。
 ポップが各国の王宮に留学する際、各国の王達は協議の上で、彼に便宜的に宮廷魔道士見習いという地位を与えました。

 名目だけの臨時的な地位なので、世襲制ではもちろんない上にさしたる権力も権限もないのですが、この地位に有る限り、ポップは修学のためにならば各王宮に自由に出入り出来る権利と、客分として遇される権利を有しています。

 滞在している国の王が承認するならば、国内外の公式会議に出席することもできますし、その場合の発言権は他の出席者と同等の物です。
 この宮廷魔道士見習いという役職は、実はポップの専売特許というわけではなく、優れた知能や魔法の技能を持つ者には、割に与えられる役職です。

 宮廷魔道士の資質があると見込まれているものの、実際にその任務につけるには実績がない人間を臨時に試すのには丁度いい役職なので、下級貴族以下の身分で頭脳が優れている者にとっては垂涎の目標と呼べる役職と言えるでしょう。

 一般的な宮廷魔道士見習いは、正式な宮廷魔道士となるのを目指し、やっきになって努力するのが普通ですが、ポップはこの地位に甘んじて一向に出世しようとする気配を見せません(笑)

 ポップを自国に招きたがっていた各国の王達が、彼が正式に一国に仕えるまでの繋ぎとなるような地位を与えたに過ぎないのですが、周囲の思惑に反して、当の本人はパプニカに落ち着いてからも身分を改めようとはしていません。

 高い身分を獲得した方が権力や実権は増すとはいえ、その代償として自由を無くすのを知っているポップが、頑として正式な昇進を拒んでいるためです。

 普通の宮廷魔道士見習いならば一国の王によって任命されるため、昇進も解任もその王の自由になるのですが、ポップは世界会議の場でこの地位に就いたため、その点では特別扱いを受けています。

 ポップの昇進や解任には全ての王の賛同か、もしくは本人の承諾が必要になります。
 この権利があるため、ポップはレオナに昇進を強制されずにすんでいます。

 本来ならレオナは、ポップを三賢者か、それより上の地位につけたいと望んでいるのですが、ポップ本人が嫌がっている上、他国の王様連中もそれには賛成していないので、果たせないでいます。

 他国の王達にしてみれば、ポップが正式にパプニカに仕えずに宮廷魔道士見習いの地位にいる間は、自国に招くチャンスもあるため、彼の昇進を望むわけがありません。
 つまり、ポップはいまだにパプニカ王国の一員ではなく、そこの客分に過ぎない――言い換えれば、居候という役どころのままでいます。

 実際の仕事は宰相並にやっていますが身分はごく低いため、かなり行動の自由が効きます。『譲れない思い』で国の重鎮が流行病に備えて隔離されていたのに、ポップだけは自由な行動ができていたのもそのためです。

 宮廷魔道士見習いの利点と欠点をよく承知しているポップは、ここぞという時はその低い身分を逆手にとって、存分に有効利用しているのです。

 ところで、宮廷魔道士見習いと聞くと若い者専用の役職の様に思えますが、実際には老齢になってからこの地位に就く人や、なかなか実力を認められず何十年とその地位にいる者も珍しくないので、下手するとポップはこの先ず〜っと、実質宰相の癖に宮廷魔道士見習いのままで過ごす可能性もありますね(笑)

 

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