10 侍女設定 |
うちのサイトでは、城、もしくは貴族階級の館で働く女性を総じて侍女と呼称しています。 たとえば、エイミ、マリンも広義の意味では侍女ですが、彼女達は同時に政府の高官でもあり重要な役割を担っています。王族に身近に接し、政治に関わる程の役職を与えられる侍女達は、生まれや育ち、それに才能までも厳選された者が選出されます。 このような高級侍女はほとんどが貴族の娘から選ばれますが、一般的な家事系の仕事を担当する侍女達にはそこまでの身分は求められていません。 むしろ、大半の侍女は平民の出身です。 王族や貴族階級では、貴人の目に留まる範囲の作業を受け持つ侍女などには、見栄えのいい若い娘を揃えることが一種のステータスになっています。現実世界で言えば、大企業の受付嬢が決まって美人にするようなものです(笑) 少しでもよい条件の嫁入り先を求める娘やその家族にとっては、娘を貴族階級の家の侍女にするのは垂涎の夢でもあります。 貴族の家の侍女は、きちんとした躾と行儀作法を徹底的に仕込まれ垢抜けた印象に変わるため、嫁入りの箔付けにはちょうどいいと考える者は多いのです。若い娘にとっては比較的安全な上、安定した職業でもある上に給金もわりによく、なおかつ、雇い主に気に入られれば貴族の愛人や嫁入りの話を持ち掛けられるチャンスさえあります。 また、貴族間には出来のよい侍女を紹介することで互いの親交を深めるという習慣があります。 金持ちほどレベルの高いものを求める感覚で、上の立場の人間ほど侍女に対して求めるクオリティも高くなるもので、貪欲なまでにハイレベルの侍女を欲しがるのが常だったりします。 そのため、下級貴族では平民の娘を厳しく躾て礼儀を叩き込んでから、より身分の高い貴族の家へと紹介する、ということをよくやります。 そのため、国の頂点に位置する王城には常に、美貌に優れただけでなく礼儀作法も完璧に身に付け、なおかつ信頼もおけるという最高級の侍女が揃うことになります。玉の輿を狙う娘にとっては、侍女という職業は一種のシンデレラチャンスと言えるでしょう。 しかし、花嫁修業、もしくは玉の輿探しを兼ねた若い侍女達の平均勤務年数はひどく短いです。雇う側も『若くて可愛い娘』を求めているので、娘盛りを過ぎた侍女達はよほどの技能を身に付けない限り、容赦なくその任務を解かれます。 若く、持てはやされる時期が過ぎても働くためには、洗濯のプロだとか、料理では誰にも負けないなど、特殊技能をきちんと身に付けて、若さに頼ることなくその技能で働くことが求められるのです。 ですがほとんどの侍女はそこまで『侍女』という職業にこだわりを持たず、短ければ1年程、長くても数年程しか勤めないでやめる者がほとんどです。 ですが、それでも侍女に憧れる娘の数は多いですし、その侍女の器量や仕事熱心さ、推薦する貴族の後ろ盾の有無によっては王城に勤めるのも夢ではないし、最高にうまくいけば王族に気に入られて玉の輿にのるのもありえます。 うちの捏造設定ではポップの母スティーヌも侍女だった過去を持ちますが、彼女はまさにその黄金パターンに乗った一人です。まあ、最終的にジャンクと駆け落ちして玉の輿を棒に振りましたけど(笑)
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