Chapter.6 踏んだり蹴ったりの船の旅

  

 カーン、カーン、カーン――。
 規則正しい鐘の音が聞こえる。それを聞いたミュアが、耳をピンとたてた。

「みゃっ、時間だっ」

「なんの時間さ?」

「船の出発の時間よ。港ではああやってお客さんに、船の旅立ちを教えるの」

 ぼくの無意識の質問に答えたのは、フレイヤだった。

「へえー、フレイヤってけっこう、物知りなんだね」

 なんだか、意外な感じだ。

「え……ま、まあね。さっ、それより急ぎ……ましょう、遅れちゃ大変」

 けど、船着き場へ向かう道は混雑していた。
 ぼく逹と同じように、鐘の合図で集まった人々がゾロゾロ連なっているわ、積み荷を運搬する人達の声も慌ただしい。まっ、ぼくはこんな活気あふれる場所ってのは好きだからいいけどさ。

「そいつじゃあっ!」

 場違いな叫び声に、騒がしさが一瞬静まり返った。

「そいつがハミの王家に嫁ぐヴァーニールの姫をかどわかした、悪者の手先じゃあっ!」
 人込みを掻き分け、小柄な人物がぼくを指してそう言った!
 魔女のようにやせ細った、物売りのお婆さんだ――その、ぼくに向かって突きつけているのが売り物のタロ芋なのが周囲の失笑を買っているが、ぼく逹は笑うどころじゃなかった。

 どうして、フレイヤの事を知ってるんだ?!

「インディ、このお婆さん、何かに操られている……」

 フレイヤが緊張した面持ちで、囁く。
 確かに、様子が普通じゃない。憑かれたような目付きといい、ひきつった声といい……。だが、ロッドがないぼくには、魔力の波動は感じ取れない。

 周囲に怪しい人影はないかと目を走らせてみたけど  なんせこの人込みじゃ、どーしようもないっ!
 そうやってぼくがお婆さんから目を離した一瞬に、突然婆さんが跳んだ!

「あっ?!」

 フレイヤが小さな悲鳴を上げ頭を押さえるが、もう遅い。豊かな金髪が、波打ってこぼれ落ちた。
 婆さんの奴、猿のようなすばしっこさでフレイヤのターバンをむしり取ったんだ!

「ほうれ、見たことか」

 婆さんが白目を剥いて、ニィッと不気味な笑みを浮かべる。そして、ぼくの方をきっと指さし、人々を見回した。

「こやつをひっとらえれば、ハミ王国から褒美がもらえるぞい」

 やばいな――周囲の雰囲気が変わった。
 婆さんを見せ物のように見ながら、くすくす笑っていた声は見事に消え失せた。その代わり、なにやら不穏な感じのするヒソヒソ話が聞こえ出す。

 ……まずい。とことん、まずいぞっ!
 婆さんの異様な雰囲気が、あたりに伝染したみたいだ。周囲の人垣から、幾人もの人がそろそろ近づいてくる。

 思わず、背負った剣の柄に手をかけた。何人かはそれでひるんだが、余計に雰囲気が殺気立った!
 武器の類いを持っているものは、いっせいにそれに手をかける。

「インディ! この人達に剣を向けたら……!」

 フレイヤの警告に、ぼくは柄を握った手を緩めた。が、それを放すことはできない。

「分かってるけど、このままじゃやられちゃうよ! みんな、黒魔術の影響を受けているみたいだし……」

 くそっ、魔法が使えたら!
 悔しいけど、剣だけでこの人達を追い払うことはできない。魔法なら……もし、ロッドかここにあれば――一瞬でも彼らの気を逸らせば、術を解くことができるかもしれないのに。

「あっ、忘れてたっ!」

 ミュアがぴょんと、フレイヤに飛びついた。

「ねえねえ、ファフニの砂っ! あれっ、使えるんじゃない?!」

 そっか!
 ニッフルニーニョ大先生のファフニの砂、どんな悪い魔法でも、いったん断ち切ってしまうって言ってた。ぼくはひったくるようにフレイヤからそれをもらい、いきおいよく宙にぶちまけたっ!

「ええいっ、これでも食らって目を覚ませっ!!」

 それは、砂というよりはきめの細かい灰だった。キラキラ光りながら、人々の上にと降り懸かっていく。
 と、嘘のように殺気立った人々の動きが止まった。きらめく砂つぶを、口をあんぐりとあけて見とれている。それが消えてしまうと、ふとざわめきが戻った。

 一瞬、おや? というように顔を見合わせた人々も、出向を急かせる最後の鐘に気づき、それを追及する事なく慌てて駆け出す。
 物売りの婆さんも、自分が何をしたのかまるで覚えていなかった。

「やれやれ、まったくもう、こんな年寄りを突き飛ばしたのは誰だい? まったくもう、世も末だよ」

 ……自分で勝手にジャンプしたくせに。
 ぼく逹の事を気に留める者は、もう誰一人としていない。フレイヤのターバンを拾い上げて彼女に渡すと、フレイヤはささっとそれを頭に巻いて目立つ金色の髪を隠した。
 そして、ぼく逹は何事もなかったように、船に乗り込む列に紛れた。

 

 

 

 船は無事に、カラジャを出港。でも、大変なのはこの先だ。

「裏をかくってわけには、いかなかったみたいだね」

 ぼくはわざと渋い顔をして、フレイヤに言った。

「相手はちゃんと、ぼく逹の行動を知っていた。……まっ、黒魔術を使う奴だからそんぐらいは当たり前かもしれないけど。多分、また現れるぞ」

 脅かすつもりはないけど、きちんと言っておかないと。また、フレイヤに突飛なことをされちゃ、こっちが困るんだ。
 でも、脅かし過ぎて怯えさせてもまずい。

「でも、そんなにたいしたやつらじゃないと思うんだ。セコい手ばっかり使う奴だからね。正々堂々とでてくりゃいいのに……。とにかく、油断は禁物だ」

「インディ、かっこいい!」

 ミュアが前足をきちんとそろえて、ぼくを見上げた。皮肉でも嫌味でもなく、珍しく真面目な顔をした。

「ま、ぼくだっていったん引き受けたからには、責任ってものがあるからね」

「わあっ、責任だって!」

 フレイヤが吹き出した。そのまま、くすくす笑っている。  なんなんだ、いったい。 ……もう、ホントに女の子の気まぐれさにはついてけないぞっ。
 なにはともあれ、船の旅はなんとか滑り出した。

 ミュアとフレイヤははしゃいで、船中をあちこち走り回っているけど、ぼくはちょっと気取って、甲板でじっと海を見つめていた。話には聞いた事はあるけど、実際に海を見るのは初めてなんだ♪

 とにかくもう――びっくりするぐらいに広いっ。そして、青くってきれいだ。
 こうしていると、なんとなく砂漠でであったカゲロウを思い出す――魔道生物なのに優しくて、ぼくを助けてくれたカゲロウ。

 海を見てみたいとか言ってたあいつが来れなかった海に、ぼくが今、こうしているのはなんか不思議な気がした。
 カゲロウが見ることのできなかった海を、せめて代わりにしっかりと見ておこう……でも、カラジュを出て少し立った頃から、なんか、やな感じが――。

 さっき、カッコつけた手前言い出しにくいが……ひょっとしてこれは……船酔いかもしんないっ!
 そーいえば、前に誰かに言われたことがあるよな、ぼくって水とは相性が悪いって。
 うっ。今からこれじゃあ、外界に出た時が心配だぁ。
 そして、予感は見事に的中した。

「ここの潮の流れはきついな」

「何、いつものことさ。バクシまでは、ずっとこの調子さ」

 船員か、旅慣れた乗客かがそんなことを言っている。
 もう……もうっ、すごい揺れだっ。体中がぐらぐら揺らされているから平衡感覚が狂いっ放しで、ぼくは立つこともできずに船縁に寄りかかって座り込んでいた。

 部屋に戻って休もうかとも思ったけど、どーせ船室も揺れてるんだろーし、狭っ苦しいとこにいるよりは、まだこーして空の下にいた方がましだ! ……と思う。

「ねえねえ、あれ見て、あれ!」

 きゃあきゃあ騒ぎながら、ぱたぱたと走り回っているのはミュアとフレイヤだ。二人とも、全然船酔いにかかってないみたいだ。

 ええい、船酔いがなんだ、こんなの根性で直してやるっ! ぼくは魔術師なんだぞっ……いや、この際あんまりカンケーないけどさ。
 ぼくはぐっと、こらえていたが……。

「どうしたの、インディ? 顔が真っ青だよ」

「あ、ホント」

 ――隠しているわけにはいかなくなった。

「あれ、飲めば?カラジャでもらった、船酔い止めの薬」

 フレイヤに言われて、ようやくいろんな薬をもらったことを思い出した。船酔い止めの薬を一気に飲み干す。
 ――ぐえっ、まっず〜いっ!

 でも、ちょっとは気分がましになったみたいだ。かといって、とてもミュアやフレイヤみたいに甲板を走り回る気にはなれないけどさ。

「ほらほら、見て! あれっ」

 ミュアがしきりにはしゃいで、その後をフレイヤが追う。

 それを見ながら、なにかが、ひっかかった。……でも、船酔いでボケた頭じゃ、なにがひっかかるのか分かんないっ!

「あんまり、うろうろすんなよ」

 ぼくには責任があるんだから、責任が。

「あら、あれは……」

 フレイヤが空を指した。
 ぼく逹の頭上で、白い鳥の風切り羽が1本、くるくると回っていた。

「メサジュの魔法だ!」

 魔術師同士でかわす、手紙の魔法だ。こういう時は大きな紙が必要なんだけど……船の上でどないせえっていうの?
 羽は潮風にあおられ、少しよろよろして見える。早く落ち着きたそうだ。

「フレイヤ、それ貸して……」

 フレイヤのターバンを借りて、ぼくはそれを甲板に広げた。
 メサジュの呪文は知ってるもんね。急いでそれを唱えると、羽はホッとしたように舞い降りてきて、さらさらと文字を綴り始めた。

「ニッフルニーニョ大先生からか」

『フレイヤ、ミュア、それにインディよ。旅は楽しんでおるかの?』

 ……なぜ、ぼくの名前が一番最後なんだ? それに、これって、楽しむよーな旅じゃないよ。

『フレイヤを狙う奴の正体が分かったので、一応知らせておこうと思う。クヴァの黒魔術師というのは見当がついておったのだが、そやつがなぜフレイヤを狙うのか。その所がどうもはっきりしなかった。

 それで、ちょっと調べてみたのだ。フレイヤが「これはハミの王家を巡る陰謀よ」とか言っておったが実のところ、だいたいその通りであったよ。ハミの……』

「あれれ?」

 羽はへなへなと力尽きてしまった。うっ。ぼく、体調が悪いからなあ。

「もういっぺん、呪文を唱えてみれば?」

 隣で字を除き込んでいたフレイヤが、熱心に言う。

「う……ん」

 あんまり、期待はできないけど。
 再びメサジュの呪文を唱えると、羽はどうにか起き上がり、手紙の続きを綴り始めた。だけど、ふらふらだ。文字も乱れがちで、読み取れない所も出てきた。
 やっぱり、船酔いでダウン寸前のぼくの唱えた呪文じゃ、あまり力がないのかも。

『………………………………………………………黒幕は、そいつじゃ。
 そいつにはジュジュという娘があっての、それをハミの花嫁にしようともくろんでおったらしい。そうすれば問題なく、ハミ王国を自分のものにできるからの。

 ところが知っての通り、ハミ王国と我らの一族には深い繋がりがあり、フレイヤの嫁入りは14年も前、フレイヤが生まれた時から決まっていたことじゃ。今更変えることは出来ぬ。彼がいったいどんな手を使うのか、そこまではワシもようは分からぬ。

 が、昔クヴァで勢力のあった黒魔術師の一族の流れをくむ奴の事、となれば黒魔法を使った企みがあるに違いないぞ。
 ところで…』

 羽は、また力尽きてしまった。
 今度はいくら呪文を唱えても、無駄だった。

「あーあ」

 船酔いはするし、そのせいで手紙を中途半端にしか受け取れないし。ハミの誰が黒幕だって言うんだ?
 一番肝心なところを知り損ねちゃうなんて……、ぼくはすっかり落ち込んでしまった。


「なによ、インディ。とにかく、敵がハミ出身の黒魔術師って分かっただけでも、一歩前進じゃない? 相手が誰だか分からなくても、いつか必ず現れるわよ」

 明るく、しっかりとフレイヤが言う。水色の瞳を輝かせて。

「フレイヤ……」


 ぼくはまじまじと、ターバンの文字を落として再び頭に巻く彼女を見返した。

「なあに? インディ」

「あ……いや、なんでもないよ」

 しっかりと現状を見据え、どんな状況でも有利となる事を見いだし、希望を見つけようとする。フレイヤの口調は、まるでいつものミュアみたいだと思った――。

 

 

 

 散々船酔いで苦労したけど、とにかく船は最初の寄港地であるバクシへついた。積み荷の上げ下ろしに半日ほどかかると聞いて、ぼくは一も二もなく船から降りたっ。
 あーっ、やっぱり動かない大地ってのはのびのびするなーっ♪

 バクシの町で目立つのは、周囲に張り巡らされた高い壁と、町のど真ん中にある闘技場だ。
 なんでも昔、クヴァ山脈の南側のどこかに盗賊集団の本拠地があって、しょちゅう襲われて酷い目にあっていたそうだ。

 それで壁を築いたのだが、いまでも小さな小競り合いが絶えないのだと言う。
 そんな町なので、人々は武術に熱を入れているらしい。ぼく逹が言った時も、闘技場では剣の試合が行われていた。

「ちょっと、見物しようか?」

 二人の屈強な男が、激しく剣を鳴らしていた。本物の剣だ。
 うわ〜っ、ド迫力っ!!
 足を払われた方が転倒し、胸元に相手の剣が突きつけられる!

「あっ!」

 思わず叫んでしまったが――これは試合。剣は寸前でぴたりと止まった。
 手に汗を握るとはまさにこの事、そんな試合が次々と続くのを、ぼくもフレイヤも夢中になってみていた。が、ミュアは退屈していたのか、伸びをしたり、あちこちキョロキョロしたり。

「ねえ、インディ。ねえってば」

「なんだよ、ミュア、今いいとこなんだってば」

「ね、ちょっと、この首輪外してよ。重くって苦しいんだもの」

 ニッフルニーニョ大先生からもらった、フレイヤとおそろいの奴だ。

「うるさい奴だな、もう……」

 しかたなく首輪を外してやり、近くの木の枝にひっかけておいた。

「さあ、おまちかね、チャンピオンによる剣術指南! 初級、中級の方、腕前を上げるチャンスですぞ!」

 試合に一区切りついたところで、進行役の男が観客に向かってこんなことを叫ぶ。

「さあさあ、希望者はいませんか? さ、ご遠慮なく!
 もしも、万一、チャンピオンを負かせば、あなたはいちやく新チャンピオン!」

 どっと笑いが起きた。
 観客達が気楽にざわめく中、フレイヤがぼくをつっつく。

「やってみない?」

 ま、ものは試しだ。
 何人かが進み出ている中に、ぼくも並ぶ。ぼくは4番目、最後だった。一人ずつ、チャンピオンと手合わせしていくのを、どきどきしながら見ていた。

「本気でかかってきなさい」

 言われて、ぼくは背負った剣を抜いた。
 もしもチャンピオンを打ち負かせれば――なんて言ってたけど、とてもとても。前の人達と同じように、ぼくも突っ込みをあえなくかわされ、ぼくの剣なんかかすりもしない。
 あっと思った時には、もうチャンピオンの剣はぼくの喉元を捕らえていた。

「なかなかいい気迫だが、初めっからそんなに狙いが見え見えではいかんな。それじゃあ、かわしてくださいって言っているようなものだ。
 ところで、君の剣はずいぶんと変わっているな。ちょっと見せてくれないか?」

「いいですよ」

 ぼくの渡した剣を、チャンピオンは軽く握って振り回す。

「ふむ、この剣は重心の位置や握りも変わっている。それなら、握り方をこういう具合にした方がよくはないかな?」

 チャンピオンがやってみせた通りに握ってみると――ホントだ、前より動かしやすい。顔中髭だらけのチャンピオンはその他にも、いくつかのアドバイスをしてくれた。
 負けちゃったけど、なんかとっても得した気分だ。

「さて、そろそろ時間かな」

 イベントはまだまだ続くみたいだったけど、船に乗り遅れちゃシャレにもならない。ぼく逹は見物を切り上げて、船に戻った。
 船がゆっくりと岸を離れ始める  その時だった。フレイヤが叫んだのは。

「あーっ!!」

「なっ、なにっ?! どうしたっ?」

 焦るぼくに目もくれず、フレイヤはミュアを凝視していた。

「首輪っ。首輪はどうしたのっ?!」

 ミュアはちょっと首をかしげ、ハッとして飛び上がった。

「あ……そ、そういえばなんだか、首がすかすかすると思った。――ど、どうしよう?!」


 そっか、闘技場で外したまま、置き忘れてきたんだ。

「なんだ、びっくりするじゃないか。どうしようったって、今更どうしようもないだろ?」


「インディ」

 フレイヤがぼくの方を振り返り、きっぱりと言った。

「取ってきて」

 む、無茶を言わんでくれっ。

「と、取ってきてだって? 無理だよ、船はもう動きだしているんだぞ。
 猫が首輪を忘れたからって、止めてくれやしないもの。いいんだよ、あきらめるよな、ミュア?」

 いくらニッフルニーニョ大先生にもらったものでも、首輪は首輪だ。

「だめ――だめだよ、インディ。困る……っ。あれがないと、あれがなくなっちゃ、とても困っちゃう!」

「ミュア?」

 ぼくは、少し――ホントを言えばだいぶ驚いた。ミュアがこんな風に本気でうろたえるとこなんて、初めて見たんだ。

「インディ――」

 どこか思い詰めた声で、フレイヤがぼくを呼ぶ。

「え?」

「ごめんっ! 今なら、飛び込めば泳ぎつけるっ」

 不意打ちだった。

「うわぁああっ?!」

 フレイヤはぼくを、思いっきり突き飛ばしたんだっ!
 ――ザッボーンッ!!
 いったん塩辛い海の中に沈み込んだぼくは、慌てて水面に浮かび上がった。

「……っぷ!」

 な、な、なんだってんだ、これはっ?
 波間からようやく頭を突き出したぼくは、怒るよりもただ、あきれ返るだけだった。

「ごめんっ、本当に、ごめん、インディ! でも、あの腕輪はどうしても必要なの! わけは後で必ず話すから、次の港、モイで落ち合いましょう! いい?」

「インディ、お願いだよーっ!」


 遠ざかる船の上から、フレイヤとミュアが叫んでいるのを、ぼくは呆気にとられたまま見送っていた――。
                                                                         《続く》

 

7に続く→ 
5に戻る
目次に戻る
小説道場に戻る

inserted by FC2 system