Q2『ポップは魔界で戦えるような魔法を身につけられるのか』

 

マトリフ「本当はこれはQ1の質問の一部だったんだが、こっちは技術面の話になるから雰囲気がぶち壊れになるので別の質問に分けておいた」

アバン「まあ、この辺は純粋に資質と努力の問題ですからね。
 ポップの場合、精霊との相性がすごくよくてほぼ全ての呪文との契約ができるのが、なによりも大きいですからね。実際、私に弟子入りした頃から僧侶系魔法の契約も成功させていましたし」

マトリフ「なら、甘やかしてねえでとっとと鍛えろや! おかげで、後でどんなにオレが苦労したと思っていやがるんだ?」

アバン「いえいえ、決して甘やかしていたわけじゃないですよ、そんな。
 ただ、ポップは僧侶になるのが嫌だといって、僧侶系の魔法は覚えたくないと言い張ってたんですよねえ」

マトリフ「それのどこが甘やかしてねえんだよっ?! 全力で甘やかしまくりじゃねえか!」


アバン「なにを言っているんですか、自主性を尊重しただけじゃないですか。
 どうも、ポップは自分に賢者の素質にあるだなんて思いもしなかったようで、僧侶の魔法を覚えてしまったら最後、金輪際魔法使いにはなれないと思い込んでいるところがあったみたいなんですよ。
 だから、魔法使いとして自信を持てるようになるまで、無理に僧侶系の魔法は教えないようにしていたんですけどねえ」

マトリフ「(頭を押さえて)……まずは生徒のその誤解を正してやったらどうだ、家庭教師さんよ」

アバン「しかし、あの子は素質だけは飛び抜けてましたし、生死に関わりかねない魔法を下手に教える方が怖かったですからねえ、ある意味で。
 なにせ、ポップが一番最初に覚えた僧侶系の呪文はメガンテですよ?」

マトリフ「だからなにを教えていやがるっ?! つくづくろくな教育をしやがらねえな、おめえはっ!!」

アバン「誤解ですよ、誤解! そんな危ない呪文、可愛い弟子に教えるわけないでしょう? 困ったことに、教えてないのに勝手に覚えちゃったんですってば。古文書の読み方を教えたら最後、半分ぐらいしか解読できないくせに難しい呪文契約でもこなしてしまうんですよねえ。ホントに困った子でしたねえ〜」

マトリフ「今もその傾向は変わってねえけどな。
 十分な知識を手に入れて古代期の魔法陣の補助を借りれば、あいつは現在ではもう失われた魔法契約も交わせるだろうよ。
 だがまあ、覚えられたからといって実際に使えるかどうかは怪しいんだけどよ」

アバン「古代期の魔法は魔法力の消費量が莫大な上に、基本的に魔族か神族が使っていたとされるので、人間では体力的に無理がありますからねえ。
 呪文が発動しないだけならいいんですが、成功した場合はかえって身体に多大なダメージを負いかねませんね」

マトリフ「まあ、結論的に言えば『魔界でも有効な呪文は覚えられるが、実用性には乏しい』になるな。
 本気で魔界で戦いたいと思うのなら、新たに強力な呪文を覚えるよりも、現在使用できる魔法の応用力を高めて、効力を強める工夫をした方が実践的ってこった」

 

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